付言の具体例

海外資産についての遺言の場合

 海外資産についても、日本法により有効な遺言ができることが多いのですが、実務的には、当該財産のある国の方式による遺言をすることが適切です。その場合、複数の遺言をすることになるので、矛盾や抵触を避けるよ注意が必要です。

 

 その場合の遺言と付言ですが、

 

第1条 本遺言の対象は、日本国内のある財産とする。

  [中略]

【付言】

 この遺言では、日本国内の財産についてだけ決めています。外国にある財産については、別途遺言をしておきますので、それに従ってください。

 

解説

 法律上、日本の遺言が有効であるにしても、実務的には、遺言の当該国の公用語への翻訳が必要となるうえ、法制度の違う国の機関や金融機関の担当者が他国の遺言書の有効性を判断することは難しく、その遺言書が日本法により有効に作成されていることの証明を裁判所から求められることもあります。

 

 そういったことから、海外資産に関しては、当該国の方式に従った遺言の作成が望ましいのです。

 

付言の具体例 目次

遺言作成の基礎

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